tak0kadaの医学メモ

発声練習、生存確認用。

数理統計関連は 何でもノート

組織をトリミングするのに便利な板

パラフィンブロックを作るためのカセット (28×41×6 mm *1 ) に収まるように、3-5 mm 程度 *2 に検体を切り出す作業がある。自分は下手くそである。ホームセンターで便利な道具を探して彷徨っていたところ、ライズプレートとかいうプラスチックの板を発見した。2週間くらい使ってみて当社比では大ヒットしている。これで検体を挟んでナイフでシュッとやると見たい面を削ぐこともなくいい感じになる。胃などの最初の厚さ調整に失敗するとつらい検体も修正可能である。2 x 80 x 40 mm (小さい足を含め3 mmくらい) のものを使っていたが少し小さく、ナイフと手が干渉してゴム手袋を破ってしまう問題があり、3 x 140 x 70 mmの大き目のもの *3 を追加で買ってきた。2 mm厚でこのサイズだと板が薄く撓んだため3 mmのものを選んだ。足がある裏面を上に向けて使おうと思ったが、足以外にもほんの少し突起があったのでミニルーターで削り取った。自分はコーナン2店舗回ったのだけれど、1店舗では上の面が網目になっていて組織を置きにくいものしかなかったり、店舗により取扱商品が異なるかもしれない。店頭だと1枚単位で売っていて、70円/枚くらいだったと思う。

器用な人はまな板の上に置いた組織を上からガーゼで押さえて横からシュッとナイフで切るだけで作業が終了する。ガイド不要である。失敗すると厳しいのでかなり神経質になって無限の時間を溶かす無能な人は僕以外にもいると思う。最近上手くいっているような気がしているので無能ながら得意げに共有して新しい黒歴史を作るのである。なお薄く切るのが多少早くなってもあちこち遅いので切り出しが遅い問題は全然解決していない…

追記 (2023/07/12) 刃渡りと比較して大きすぎたため、小型のトリミングナイフでの作業では使いにくい

仕事の遅さについて

(追記1: 文章が長いというのは思考が迂遠になっている傍証っぽい)
(追記2: 下書き業務の記録を見ていると、比較的簡単とされる大腸ポリープの診断とかでも人より遅いらしく、知識不足以外に単に遅いという面もあるらしい)
2ヶ月以上経過して、とにかく診断が付けられなくて無限に時間を溶かす人になっている。自分の能力は有限で未熟な上に、生物は例外が山ほどあるので達人でもきっと完璧な仕事というのは存在しないと思う。といっても常識的な範囲は必ずあって、例えば今の時点だと誤字脱字をしない、単位を間違えない、左右を間違えない、標本を取り違えない、検体をなくさない、やらかしたら隠蔽せず相談して怒られる、みたいなことは満たさないといけなくて、ただそれすら出来ずに呆れられる、みたいな日もある。さて、診断の遅さについて、同じ能力と労力でもマシな結果を出すには疲れていないとか、無理な労働をしないというのがあって、特に真夜中に一日の疲れを引っ張りながら仕事をするのを止めろ、という主張があって、まだ朝のほうが寝ている分マシだと思ったりする。その上で、なぜ仕事が遅いかというと、単に知識がないのである。前の半年は随分無知を指摘されて、標本を見るより教科書を隅から隅まで読むように言い渡されたりしていた。僕は読むのが速くないので数個の臓器しかカバーできなかったのだけれど、そういう臓器だと頭が真っ白になってフリーズするということはあまりなくて、再現性よく間違えるということが出来る。例えば先日は前立腺のグリソンスコア3+3の部分をすべて見落とした一方で3+4の範囲はほぼ拾えた(単に後者のほうが簡単というのはある)、逆に今日は4時間かかって膵癌の範囲のマッピングをたった1人分終わらせることも出来なかった。頭を使わないというのは異常なことが起こっているときに取り返しが付かないが、全てにおいて頭を使ったり観察したりというのは、先人の成果を知らないからでしかない。今の課題は仕事が遅すぎて整理された知識のある範囲が増えていかないことで、なにがしが上手く振る舞う必要があるのだと思う。例えば早い段階で周りの先生に泣きつくなど…ただ泣きつくにも会話が成立する程度の知識は必要で、そこにすら達していない臓器もある。

臨床復帰1ヶ月

1ヶ月経過してある程度思い出しつつあり、昔から何も分かっていなかったことを理解しました。診断の記載様式すら合わせること能わずです。記載の再現性を上げないと間違いを直しようがないので、それを直そうとしていて、取扱い規約の要点を抜き出したメモを作成している最中です。国試の範囲(要は学部で当然履修した範囲)の復習も始めましたが、これはかなり大変で、先が見えていません。

de Finetti diagram

de Finetti diagram (wikipedia)という遺伝子型の頻度を表す絵がある。対立遺伝子AとBがあるとき、この絵では点AA、点AB、点BBを正三角形の頂点になるように配置した、2次元単体になっている。

ここで、ハーディー・ワインベルグ平衡が成立する場合について考える。Aの遺伝子プールでの頻度を$p$、Bの頻度を$1-p$と置くと、その集団での頻度Pは$P=(AA, AB, BB) = (p^{2}, 2p(1-p), (1-p)^{2})$と計算できる。3次元だと分かりにくいので、これを2次元上の正三角形AA-AB-BBを2次元に写像すると、点Pは放物線の一部であることが分かる(証明略)。